5月29日(水)、常盤木学園シュトラウスホールにて、(公財)日本ピアノ教育連盟東北支部主催 ヴァディム・ホロデンコ氏「演奏とお話」の会が開催されました。
ホロデンコさんは、まさに現在開催されている「第7回仙台国際音楽コンクール」の審査委員として来日され、忙しいスケジュールの中、(公財)日本ピアノ教育連盟東北支部のためにお時間を作ってくださいました。
当日はホロデンコさんのファンの方々や、音楽学校で学ぶ高校生、大学生、またコンクールのコンテスタントやそのホストファミリー(コンクールのボランティア)の方々など、たくさんのお客様にお越しいただきました。どうもありがとうございました。
演奏のプログラム(再変更の前のもの) |
プログラムを折ると表紙に鍵盤が見えるデザイン♪ |
事前にプログラムの変更があり、ショパンエチュードのゴドフスキー編曲版は今回は演奏しないと伺っておりましたが、当日になって、ゴドフスキー編曲版も演奏して下さることになりました。2度の変更がありましたが、聴衆の方々は、ゴドフスキー編曲版も聴けることを喜んでいらっしゃるようでした。
「演奏とお話」で1時間ほどのプログラムでしたが、まず演奏から始まり、以下の難曲揃いの曲目を、素晴らしい集中力と表現力で演奏してくださいました。
・エチュード Op.10-1 ショパン
・エチュード Op.10-1 ショパン/ゴドフスキー編
・エチュード Op.10-2 ショパン
・エチュード Op.10-2 ショパン/ゴドフスキー編
・エチュード Op.10-3 ショパン
・エチュード Op.10-3 ショパン/ゴドフスキー編
・エチュード Op.10-4 ショパン
・エチュード Op.10-4 ショパン/ゴドフスキー編
・エチュード Op.10-5「黒鍵」 ショパン
・エチュード Op.25-1「エオリアン・ハープ」 ショパン
・エチュード Op.25-2 ショパン
・エチュード Op.25-11「木枯らし」 ショパン
会場の鳴り止まない拍手に応えて、アンコールには、スカルラッティのソナタ K.193 を演奏してくださいました。
演奏の様子 |
演奏の様子 |
一部の曲は譜面をiPadで見ていました! |
ゴドフスキー編(左手のみ)演奏中 |
演奏のあとには、質問に答えてくださる形式の「お話」の時間をとってくださいました。会員や、ピアノを勉強している高校生、大学生等から事前に質問をお聞きし、その中から時間の許す限りお答えいただきました。ホロデンコさんは、どの質問にも優しく丁寧に、かつ音楽に対する真摯な態度でお答えくださいました。
「自分の出したい音はどうしたら出せるようになるか。タッチの仕方、体の使い方についてアドバイスがほしい」という質問に対しては、「先にタッチや体の動かし方について考えるのではなく、まずは「音楽」について考えると良いと思う。その音楽がどのような音楽なのか考え、それにふさわしい音、意味を持った音を出すことを目指すようにすることが大切だ。」とお答えくださいました。また、「コンクールやコンサートではナーバスになってしまう。落ち着いて演奏するにはどうしたら良いか」という質問には、「誰でも緊張するのは自然なこと。緊張することが悪いことと考えない。また、自分自身を最大限に信じて、舞台に出る機会をたくさん持つことが大事。自分(ホロデンコさん自身)は、本番前などに誰でもいいので友人等に聴いてもらうようにしている。そのとき大切なのは、聴いた人の感想ではなく、自分が人前で弾く、ということ自体だ。」とお答えくださいました。
質問に答えてくださった中では、ハプニングについてユーモアを交えてお話くださったり、音についての回答では実際にピアノを弾いて聴かせてくださったりと、「お話」のほうもホロデンコさんの演奏、音楽と同様に、非常に綿密な構成で、聴衆が興味深く聴けるように話してくださいました。
また、お話では通訳の土田先生が、ホロデンコさんがおっしゃる細かいニュアンスまで聴衆に伝わるよう、限られた時間の中非常に分かりやすく通訳してくださいました。どうもありがとうございました。
通訳の土田先生とホロデンコさん |
司会は支部長の尾形先生 |
実際に演奏を交えながらお話しくださいました |
ホロデンコさんと土田先生を囲んで |
終演後、支部長の熱心な質問に答えてくださるホロデンコさん |
後日、ホロデンコさんのファンというコンサート当日のお客様から、「複数回、彼のコンサートに足を運んでいますが、今回の彼のお話では、言葉を超えた思いに触れることができとても幸せでした。」という、とても嬉しいお手紙を頂戴いたしました。どうもありがとうございました。
またコンサート当日は会場にたくさんのお客様にお越し頂きました。東北支部運営委員一同、心より感謝申し上げます。